2015年8月12日水曜日

鑿の仕込み

 機を作るにあたり、鑿を1本新調しました。今まではマイナスドライバーを研いで鑿にして使っていました。これでも結構切れます。ドライバーを持て余している方はお試しください(笑
ドライバー鑿

  さて、鑿の頭には金属の輪っかがついています。これをカツラと呼びます。玄翁で叩いても柄が割れないように、柄を締めているものです。新しい鑿は、カツラと柄の端が揃っていて、このまま叩くとカツラを叩いてしまい、カツラが変形したり外れたりします。なので、買って来たばかりの鑿はカツラをもっと奥に入 れてやらなければなりません。

  まずカツラを外します。ベンチバイスやモンキーレンチなどで挟んで、柄の先に棒を当て、玄翁などで叩くと外れます。

外れました。今上を向いている方が下側になっていた方です。

  この内側を金属ヤスリで削ります。なぜ削るかというと、柄を叩くたびに柄はつぶれていきます。そのときにカツラが完全にぴったりはまって動かないと、カツラからはみ出す柄の端の長さがどんどん短くなって、再びカツラと柄の先が揃ってしまいます。そうならないように、カツラの下側の内側を削って、柄が叩かれてつぶれるにつれてカツラも下がるようにするのです。

  削りました。角が取れて少し勾配がつく程度で大丈夫です。

  次に、柄の端を鉋などで少し削って、カツラが奥に入るようにします。

  さらに、削った部分を玄翁で叩いてつぶします。カツラをはめた後、つぶした所が徐々に戻って、締まりが良くなります。

  カツラをはめました。手でグッと入れた後、玄翁でカツラだけを叩いて入れてください。カツラだけを叩くための道具もあるようですが、専用の道具がなくても入ります。

  カツラをはめたら柄の端を玄翁で叩いてカツラにかぶさるようにつぶします。本当はもうちょっとつぶした方が良いのですが、使っているうちにつぶれるので良いでしょう(笑

  やっぱり。1日使ったらちゃんとカツラにかぶさるようにつぶれてくれました。これで長く使えます。

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